Terranigmaのレビュー
クインテットによる、見事な繊細さの背景、温かな光、賑わう村々のアクションRPG──本作は、物憂げで丁寧な美しさの世界を広げてみせる。スプライトの豊かさと大パノラマの広がりが、趣にあふれている。洗練され霊感に満ちたこのアートディレクションは、本機の視覚の頂と称される。
小林美代子と引地正則の筆により、音楽が、雄大で光に満ち、深く心打つ主題で、世界の再生に寄り添う。蘇るどの大陸も、物語の広がりを際立たせる心奪う旋律で彩られる。この音の豊かさが、本アクションRPGを通の胸に愛おしい古典にしている。
凍てついた世界を甦らせるべく遣わされた少年が、大陸、植物、動物、そして人類を次々と目覚めさせていく、めくるめく創世の物語。意外なほど荘重なこの物語は、創造と進歩、そしてその裏面を、胸を打つ憂いをもって見つめる。その心を打つ結末が、本作を16ビット時代屈指の知られざる名作にしている。
世界を蘇らせ、地域を解放し、やがて文明が花開いていくさまは、アクションRPGと段階的な復活を稀有な野心で結びつける。蘇った一帯ごとに町やクエスト、物語の一片が開かれ、次への好奇心が衰えることはない。テンポは時に定まりきらないが、この物悲しい冒険は高まりゆく勢いで心をつかむ。
死した大陸を次々と甦らせる旅は、探索と世界の再建が長い時間にわたって続く、見事な広がりの冒険となる。リアルタイム戦闘、散りばめられた秘密、段階で進む構成が飽きさせずに寿命を支える。ガイア三部作の頂点にして日本未発売、今も記憶に刻まれる壮大なRPGの風格を保つ。