Wonder Project J - Kikai no Shounen Pinoのレビュー
本作は迷いなくアニメ映画の見た目を選んでいる。映画の一場面のように切り取られた画面、大きな瞳の人物たち、そしてこの機種としては異例なほど描き込まれた工房と村。機械仕掛けの少年ピーノには膨大な表情が用意されている。彼を読み取ることこそが遊びの中心である以上、それは欠かせない条件だ。
音楽が保つのは欧州の童話の調子だ。軽やかな弦、オーボエ、オルゴール、そして冒険よりも時計職人の工房を思わせる澄んだ和声。緊張の場面は数少なく、しかも控えめだ。この音楽が寄り添うのはもっぱらピーノの緩やかな変化であり、装飾というより音でできた同伴者になっている。
ここで操られるのは英雄ではなく、教育そのものだ。発明家が組み上げた自動人形ピーノは、身振りのひとつひとつを褒められ、あるいは正されることで世界を覚えていく。物語は受け渡しと辛抱の話になり、賭けられているのは勝利ではなく、ひとりで選べる存在を育て上げられるかどうかである。