XCOM - Enemy Unknownのレビュー
XCOM基地は断面図で示される。研究室と宿舎の蟻の巣を一区画ずつ掘り広げる様は、1994年の名画面への公然たるオマージュだ。地上ではB級SFが現代化される。膨らんだ円盤、華奢なセクトイド、科学者のオレンジの作業服。60年代UFO学の図像が参謀本部の真剣さで塗り直される。
マイケル・マッキャンは作戦司令室の緊張を敷く。凍てつく電子音、抽象と化すまで加工された合唱、ターンを数えるような脈動。最も効くのはスカイレンジャー搭乗の儀式だ。降下前の鈍い数小節が、帰らぬ兵がいると知る心に何よりも不安を募らせる。
ミスが愛する兵を失わせうると知りながら、マスごとに分隊を配置する行為が、成功した任務ごとに次を呼ぶ戦術の緊張を生む。基地を発展させ、部隊を強化することが戦略に報いる。運要素と難度は時に歯がゆいが、新兵への愛着と「もう一任務」が、各プレイを終えにくくする。
一つ一つの戦術ミッションは、見える物語をはるかに越えて広がる戦役のほんの一部に過ぎない。XCOM基地の運営、技術ツリーの開拓、死が永久に確定する兵士の育成が、一プレイを個人的な投資へと変える。アイアンマンや分岐する戦略選択が支える再プレイ性こそ、何度も新たな戦役を始めさせる理由だ。