Blaster Masterのレビュー
本作は二つの縮尺を行き来する。横から捉えた履帯の車両は、車輪も砲身も関節ごとに描き分けられ、その一方で操縦者は見下ろしの部屋のなかで極小の姿になる。縮尺が変われば背景の扱いも変わり、片や断面としての洞窟、片や有機的な迷路。それでも配色の統一は崩れない。
主題は音源を驚くほどの密度で使う。旋律の下を走り回る低音、途切れない対旋律、空いた場所を埋める分散和音。冒頭の一曲はこの機械の作品群でも屈指の引用回数を誇り、地下の部屋の主題は明瞭さを保ったまま、書法だけを暗い方へ傾けてゆく。
ジャンプする戦車を駆って広大な洞窟を探索し、やがて降車して見下ろし型のダンジョンを進む——二つのゲームプレイが稀なほど滑らかに融合している。非線形な進行と車両の強化が探索心に報いる。当時のハードには野心的な内容ながら、確かな操作性と自由度の高い構造は健在で、今なお引き込まれる魅力を放つ。