G.O.D - Mezame yo to Yobu Koe ga Kikoeのレビュー
本体の寿命が尽きかけた時期に出た作品だけあって、ドット絵は細かく、背景は情報量に富む。現代日本の高校、郊外の街路、そして幾何学の狂った天上の構造物。ごく平凡な日常から神々の図像へ移り変わる過程は色で示され、学校の灰色から飽和した金色へと少しずつ傾いていく。
音楽は日常の主題とも呼べる、ほとんど歌謡曲めいた曲と、合成の合唱とオルガンで築かれた典礼めいた曲とを行き来する。この落差が作品の主題をそのまま音にしている。ごく普通の少年少女が自らの神性を知る話であり、戦闘曲もまた、対する相手に応じて二つの語彙を使い分ける。
目覚めよと呼ぶ声が少年少女に届く。物語はそこから始まる。何ひとつ望んでいないのに神と名指されるとはどういうことか、という話だ。転調の前に日常の時間がたっぷり置かれ、見どころは打ち明け話そのものより、望まぬ選別をそれぞれがどう受け止めるかの側にある。
自らの神性に気づく少年少女を追う構成が、じっくりと意外な物語を広げ、見下ろし型の探索とターン制の戦闘で彩る。育てる神性システムが個々の成長の層を加え、長く遊ぶ者に報いる。見た目以上に野心的なエニックスの隠れた異色作は、隅々まで遊べる稀少な一本を求めるファンを惹きつける。