Grandia IIIのレビュー
グランディアIII は、その画づくりの野心と、空への執着で際立つ。主人公ユウキは飛ぶことを夢見て、本作は空の舞台を数多く用意する。寄せ集めの飛行機械、雲の上への飛翔、めまいのする眺望が、家庭用としては稀な丁寧さで描かれる。細やかな3D環境と飛行の演出が、この作をシリーズ随一の見栄えに位置づける。
グランディアIII の音楽は、シリーズ名物の戦闘システムに仕える。時間のゲージ上で行動を置き、また打ち消す仕組みだ。力強く律動的な戦闘曲がこの戦術的な舞踏を抱き込み、うまく置いた反撃のたびに緊張を呼び戻す。ほかでは大場面のために広い管弦楽へ開くが、真価を発揮するのは戦いの中だ。
筋書きは、飛行に情熱を燃やす少年ユウキを主役に据える。謎めいたアルフィナとの出会いが、神々をめぐる神秘の探求へと転じる。この手には珍しく、彼の実の母がしばらく旅に同行し、物語に類のない家族の温もりを添える。飛翔の夢と、より高き力との衝突の間で、物語は明るい通過儀礼の趣をまとう。