Radiata Storiesのレビュー
温かなセルシェーディング、豊かに茂る中世ファンタジーの世界、愛らしい生き物たち──冒険は、トライエースらしい陽気な空想を呼吸する。丸みのあるデザインと色彩の瑞々しさが、生き生きと迎え入れるような世界をつくる。愛らしく丁寧なこの視覚演出は、動くおとぎ話の瑞々しさを保つ。
岩垂徳行の手による楽譜は、呼吸する街に命を吹き込む。ラジアータの王国には、本物の日課を持つ幾百もの住人がおり、音楽はその律動を追う。街の目覚めには軽やかな朝の主題、日中には賑わう広場の気配、夕暮れには鎮まった旋律。温かく、いたずらな筆致が、世界に日々の脈を与える。まるで楽譜が、民全体の行き来の拍子を取るかのように。
人間と妖精族の戦に巻き込まれた若き騎士は、すべてを決定づける陣営をどちらか選ばねばならない。一見軽やかなその裏で、物語は道徳的なジレンマと、思いがけぬ喪失へと傾いていく。この大胆な二面性と、活気に満ちた世界が、根強い愛着を呼ぶ。
百七十人を超える住人を、それぞれの生活時間とともに仲間にできる本作は、稀有な生命感と規模のJRPGを描く。街を探り、クエストを引き受け、どちらの陣営につくかを選ぶことが、すべてを見るための周回を誘う。二つの筋書きで倍になった、この生きた世界の濃密さが、愛おしいRPGという根強い評価を生む。