Breath of Fire IV - Utsurowazaru Monoのレビュー
「うつろわざるもの」は作品を発売当時の姿のまま届ける。吉川達哉のパッケージ画、筆致の効いたロゴ、日本語に合わせた画面構成。淡く塗られた3D背景の上を精緻なドット絵が滑り、砂丘や寺院、帝都の情景が版画のような趣を残している。
日本版では青木佳乃の楽曲が2000年当時の形のまま流れる。アジアの笛と打楽器、宮廷を思わせる主題、民謡めいた村の旋律。フォウ・ルーに寄り添う曲は低い合唱へと沈み、リュウたちを包む軽やかな調べとの対比を際立たせている。
日本語の原文は、リュウとフォウ・ルーという二つの道筋を和らげずに描き切る。戦争、帝国の実験、堕ちた神の渇きといった重い場面もそのままだ。台詞は海外版よりわずかに厚く、「うつろわざるもの」という副題の哀しみが余さず伝わってくる。