Kaeru no Tame ni Kane wa Naruのレビュー
絵は極端に背丈を詰めた比率を採り、丸い頭と数画素の体で構成される。おかげで動きの最中にも笑いを生む表情づけが利く。王子は蛙に、そして蛇に姿を変え、そのたびに輪郭も、背景を越えていく手立ても丸ごと入れ替わる。背景は明るい城と斜線で刻まれた洞窟を交互に置き、版画のような輪郭の鋭さを保つ。
楽譜は軽く、速い。数小節の型が中心にあり、主人公が取った姿に応じて調を変えて戻ってくる。この工夫のおかげで、変身は目で見ると同時に耳でも分かる。国ごとの主題には明快な行進曲が当てられ、会話の場面では読む邪魔をしないよう伴奏が最小限まで引かれる。
同じ姫を慕う二人の王子が、しくじった遠征の途上で呪いを受ける。そこから始まるのは、叙事詩よりも喜劇を選ぶ物語だ。会話は不条理を臆せず引き受ける。眠ることに取り憑かれた王、たった一つの産物を軸に回る王国。恋の張り合いも、予告された剣呑さとは裏腹に、ずっと優しい調子で片がつく。