Pikminのレビュー
虫の目線で見れば、ただの庭が、露のしずくや草の葉が巨大な舞台装置のように見える、生い茂るジャングルへと変わる。色とりどりのピクミンの小ささと、世界のマクロな豊かさが、絶え間ない驚きを生む。やさしく緻密なこの博物学的な詩情は、いまも稀有な瑞々しさをたたえている。
若井淑が綴るのは、一日の周期に寄り添う生きた音楽だ。朝は軽やかで好奇心に満ちた旋律とともにピクミンを巨大な世界へ放ち、夕暮れが迫ると撤収を前に不安げなクレッシェンドへと高まる。運搬、戦闘、収穫、楽器が君の行動に応える。遊び心にあふれ、意外なほど優しい一編。