Rudra no Hihouのレビュー
スクウェアがすでに次世代機の準備に入っていた時期の作品だけに、この機種で積み上げた技術が凝縮されている。背の高い細身のドット絵、画面いっぱいに広がる術の演出、多重に流れる遺跡と都市の背景。三人の主人公は輪郭だけでなく配色によっても描き分けられている。
笹井隆司の音楽は、この会社の役割演技物としては明らかにロック寄りだ。歪んだギター、前に出る低音、輪郭のはっきりした打楽器、そして常より暗い迷宮の主題。静かな場面は弦と笛の音色に委ねられ、この二つの語彙の落差が旅路全体を支えている。
文明が滅びゆく一つの周期の終わりが迫るなか、三人の英雄が、滅亡を定められた世界の最後の日々を並行して生きていく。物悲しくも野心的なこの物語は、破壊と再生を、容赦なきカウントダウンに封じ込めながら見つめる。この稀なる荘重さが、本作を知られざる魅惑のRPGにしている。
数日の決定的な時間に交差する四人の物語を並行して追う――この晩期の名品は、時間と視点を幾重にも増やす独自の構造を持つ。自分で組み立てる「言霊」システムが尽きせぬ試行を開き、作り込まれた世界が暴くべき秘密で満ちる。長く日本専売だったこの妙が、今も辛抱強い探索者を報いる隠れた宝に仕立てている。