Tales of Gracesのレビュー
画面を支えているのは、いのまたむつみの人物である。引き伸ばされた輪郭、幾重にも重ねた衣、細部まで作り込まれた飾り紐と襟。制作陣はその原画を、階調を置かない二段の陰影の立体へ翻訳し、動いても線が見分けられるようにする。背丈の低い子ども時代の序章が対をなし、大人になってからの章をいっそう読みやすくしている。
桜庭統は幻想の枠組みのなかへ前衛的な岩石調を滑り込ませる。戦闘の主題は独奏する風琴と鍵盤を軸に組まれ、非対称の拍と唐突な転調が循環を落ち着かせない。一方で街の曲は行儀のよい管弦の書法へ戻る。この二重性ゆえに、最初の数音だけで戦いが始まったと分かる。
友情はこの物語の背景ではなく、主題そのものである。子ども時代に遊ぶ長い序章が三人のあいだに約束を結ばせ、そこから作品は年月を飛び越え、役職と家族と戦争に引き離された大人たちのなかに何が残ったかを確かめにいく。最後の敵はまさにその約束から力を得ており、だからこそ、自らを裁かずに戦うことはできない。
アスベルと仲間たちを追う、二部構成の掘り下げられた物語だけでも本編は十分に厚く、深く極めがいのあるアーツ戦闘がそれを引き延ばす。リアルタイムで技をつなぎ、的確なアーツを放ち、能力を解放する友情の絆を深める過程が、絶え間ないパーティ最適化へと誘う。シリーズ随一と評される戦闘の奥行きが、あらゆる側面を長く探らせる。