Area 88のレビュー
カプコンは新谷かおるの漫画を下敷きにし、その記録映画めいた生真面目さを残している。軽戦闘機から対地攻撃機まで、実在の機体が精確に描かれ、陽射しに焼かれた砂漠、車列、製油所が並ぶ。原作から取られた操縦士の顔絵は、操縦桿を握る者の姿を決して見せなかったこの分野で異彩を放つ。
音楽は終始、軍隊の調子を保つ。短い吹奏で鳴る合成の金管、叩きつける打楽器、任務を計画通りの出撃のように進める規則正しい低音。飛行と飛行のあいだに挟まる補給の場面だけは、あえて軽い旋律で拍を崩す。この作品が息を継ぐことを許す、唯一の時間だ。