Dragon Ball Z - La Grande Legende des Boules de Cristalのレビュー
仏西向けのこの版は、アニメに寄せた描画をそのまま保ちながら、外装をすべて入れ替えている。題名、選択画面、操作表示は、現地のテレビ放映版で用いられた書体と呼び名を採用する。日本製の画面設計は変わらないまま、見慣れた表記だけが取り囲む。そこにこの版ならではの見どころがある。
楽曲は日本版のまま丸ごと残されている。そのため現地の遊び手には独特のずれが生まれる。画面に並ぶ名前は仏西で放送された吹き替えのものなのに、耳に届く旋律は原語版のそれだからだ。当時としてはありふれたこの組み合わせが、今では移植作業の実態を伝える資料になっている。
この物語を訳すことは、二つの呼び名の体系から一つを選ぶことでもあった。現地で刊行された漫画の表記と、テレビ吹き替えの表記は、同じ人物でも食い違うことが多い。この版はテレビで親しまれた呼び名を採り、放送を追ってきた者にとって物語の道筋が一目で分かるようにしている。