Dragon Quest III - Soshite Densetsu e...のレビュー
鳥山明の真似のできない筆致が、どの主人公にも、どの魔物にも、ひと目でそれと分かる陽気な丸みをまとわせる。色彩豊かな村と表情ゆたかな生き物たちが、温かく澄んだ世界を織りなす。時を超えた親しみやすいこの絵柄は、いまもシリーズの視覚的な魂であり続ける。
ロト三部作の頂点を壮大に彩り、スーパーファミコン版は、すぎやまこういちの主題を、新たな豊かさの管弦楽編曲で繰り広げる。荘厳な冒険の主題から古びることのない街の旋律まで、どの調べも情感を増す。この豪奢な再解釈は、古参にも新参にも喜びをもたらす。
父の仇を討ち、世界を救うべく旅立った若き英雄は、その冒険が、さらに壮大な伝説の序章であったことを知る。終盤の真相が三部作すべてを結びつける礎の物語として、古典的な冒険と情感を一つに結ぶ。その広がりと神話的な結末が、本作を往年のRPGの頂へと押し上げた。
仲間を集め、その職業を選び、レベルを上げていく姿を見守る——もう少しだけ先へと背中を押す、育成の自由が開けていく。どの町にも秘密が眠り、どの戦いも成長の糧をもたらし、冒険は絶えず新たな目標を投げかける。行き来の手間が時に重くのしかかるが、この旅は驚くほど粘り強く心を引きつけ続ける。
時の旅でつながる三つの時代を巡る構造が、自然と長さを生む。各時代に町と迷宮、秘密があり、過去へ戻れば思わぬ縁が見えてくる。職業システムは仲間の編成と育成を促し、複数のエンディングとレベル上げが冒険を延ばす。野心的で密度の高い再プレイ性が、今も屈指の名作と讃えられる理由だ。