Shin Megami Tensei - Lucifer's Callのレビュー
人類が消えた終末後の東京、金子一馬による毒々しいデザインの悪魔たち、簡素な色調──世界は凍てつくような奇妙さを呼吸する。抑えたセルシェーディングと息詰まる構図が、独特の居心地の悪さを根づかせる。そぎ落とされ不穏なこの視覚演出が、メガテンの作風の頂点を刻む。
戦いの外で、音楽はとりわけ虚を描く。探索の主題は低い層、まばらな響き、ほとんど無音の長い間へと痩せ、人の絶えた世界の孤独を映す。ヴォルテックスの人けのない大路を行くことは、かすかにしか乱されぬ静寂を進むことだ。音の乏しさが、出会いの一つ一つをいっそう張り詰めさせる。
物語は裁かず、教義を差し出す。かつての知己が思想家となって担う三つの「理」が、再生する世界を治める掟をめぐって争う。絶対の静寂から、強者の掟、各人の孤絶まで。遊び手はそのひとつを取り、すべてを退け、あるいは悪魔を選ぶ。結末は戦いよりも、この哲学への同意に懸かる。
半ば人、半ば悪魔として荒廃した東京をさまよう本作は、悪魔を仲間にし、合体させることで絶えず編成を組み替える、暗く重いJRPGを描く。迷宮のごときダンジョン、苛烈な難度、複数の結末へ分かれる筋立てが、冒険を長い時間へと延ばす。この手強い濃密さが、本作をカルトJRPGの柱たらしめている。